白洲次郎さん・正子さんの長女に生まれ、夫妻の美意識が息づく武相荘に幼少期より暮らす牧山桂子さん。「旧白洲邸武相荘」として公開される今も、夫妻が慈しんだ品は、その家屋や庭とともに大切に保存されています。2022年8·9月号から始まった連載「武相荘のたからもの」では、牧山柱子さんが豊かな記憶とともに、夫妻ゆかりの品と、それにまつわる物語を綴っています。 白洲次郎さん・正子さん特集の今号では、武相荘に残る「たからもの」から、3点を選びボストカードにしました。「ガラスでできたかき氷の器」は桂子さんに贈られたもの正子さんに奪われ、のちに返ってきたという来歴の器。正子さんの宝物である布に、桂子さんのセレクトが加わった「染めや織りの布」柱子さんが大切にしている小さな器のひとつで、正子さんも愛した「古伊万里染付市松紋向付」と、それぞれに美しい物語のあるボストカードは、飾っても、使っても、豊かな気持ちになることでしょう。